年を重ねるごとに疑問が募っていく疲労について書いていく。
参考本「疲労とは何か」ブルーバックス
結論、疲労回復には軽い運動をして豚ひれ肉を食べた後にだらだら過ごすのが一番。現在、新型コロナウイルスの後遺症といわれているうつ症状や認知機能低下などの患者は世界中で数億人いると言われている。その最大の問題は「疲労」にあると考えらえている。そのため、これを機に疲労の研究が全世界で注目されているらしい。何となくみんなボーっとしていたり後遺症を訴えている人がいる印象だが本当にコロナウイルスが原因なのかはひっそりと疑ってはいる。だがこの新しい発見が続いていく成長分野の知見を先取りできるのはいいことかもしれない。というか疲れなくなるというだけでかなり人間としての性能が上がる気がしている。たくさん走った後の疲労を根本的に軽減することができればトレーニングの質や量も変わってくるだろう。そもそも疲労とはどういう状態のものなのか?どうやったら疲労が取り除けるのか?何が疲労たらしめているのかについて詳しく見ていく。
日本と欧米では疲労に対しての考え方が違う。日本では相変わらず残業や休日出勤で使えれているのに働くということに対して賞賛や褒めをすることがまだまだ多い。頑張っているなぁと缶コーヒーでも差し出せばドラマっぽくなってしまう。だが、欧米では愚かなこととして認知されている。自己管理ができていない無能と思われており、日本のような美学はなく、排除すべきものと思われているらしい。そこら辺の認知の差が日本が生産性が低いのと自殺率が高い原因に影響してそうだと思った。
そもそも、疲労の定義とは何なのか?似たような言葉に疲労感があり、疲労感は「休養の願望」であり、危険信号を出している状態のことである。RPGでいうとHPがピコンピコンと鳴っている状態が疲労感があるという状態に相当する。生物は疲労感を感じると活動を低下させる習性がある。これはわかりやすい。ずっと走ってきた人が疲れてきたからとペースを落とすようなものだ。この疲労感という信号は祖先である酵母の時からある感覚らしい。だから単に悪いものでもなく、生きていくうえでの知恵として存在している。では対して疲労とは、物理的、精神的な疲れのことである。RPGでいうHPゲージそのものだ。この本からは明確な定義を見つけることはできなかったのだが自分の理解している範囲だと「酸化している状態」っぽかった。
この酸化することに対してもう少し掘り下げる。そのためにはそもそものもとであるエネルギーとは何かを知る必要がある。
エネルギーとはブドウ糖と酸素からATPという化学エネルギーにすることで使われる。その酸化?するらしい。詳しいことはよくわからなかったがそういう仕組みらしい。要はリン酸化することが疲労している状態となる。この酸化しているのがどれくらい酸化しているのかについては、疲労感を基に知るしかない。だが、世の中にはこの危険信号でありゲージの目安である疲労感を麻痺させるものがたくさんあり、実際の疲労と疲労感が乖離してしまい、成果が出せなくなってしまったり、よくわからないことをしてしまったりと不調をきたすようになる。その疲労感を麻痺させるものの代表例がストレスとエナジードリンクやコーヒーなどである。
よく言われているが、ストレスは行き過ぎるとやっぱり良くない。アドレナリンやノルアドレナリンを放出し興奮を促し続けてしまうため疲労感を抑制してしまう。そのため悪循環に陥りやすい。疲労感を麻痺させて続けて働くことで脳のパフォーマンスが低下しまた成果が出せずにストレスを受ける。それに対して外的要因などからもっと頑張れと言われてさらにストレスを受けるが、成果が出せていないため休めずに働くしかない。そしてまた脳の機能が低下する。ほとんどのサラリーマンはこのパターンばっかりな気がする。押してもだめなら引いてみる。どうしても成果が出ないときはたくさん寝てみたほうが成果が出やすいということだ。睡眠不足の状態の3時間労働よりスッキリと起きた朝の30分の方が成果が良いとよく言われるがそれは理に適っており、今回の話からも明白だ。ストレスは3段階あり、警告反応期、抵抗期、疲憊(ひはい)期がある。
ボクシングに例えると、
警告反応期はコングが鳴った後の状態。さぁやらねばと立ち向かっている状態になる。
抵抗期はストレスと殴り合っている状態。とにかく戦っている状況。
疲憊(ひはい)期は疲労困憊となりずっとストレスに殴られている状態。ぼこぼこに殴られ続けている状態になる。
当然、疲憊(ひはい)期はとても良くない。抵抗期でケリをつけなければ悪循環の沼にはまることになる。
それか抵抗期で勝てないとわかったらリングから降りるか休憩をはさむのがいいと思う。
エンジニアの仕事の中でも難しいタスクを任されたとき、最初はやらねばーとガンガンに息巻いているのだが、
なかなか解決していかずに2日、3日と時間が過ぎていくにしたがって焦りも出てくるし、なにがどうだったか頭も獲っ散らかってくる。さらに厄介なのが上司からの進捗確認だ。ただ聞かれていて相手も状況を知りたいだけなのに、疲れているとなぜか詰められていると感じてしまう。それでまた焦り、ストレスを上乗せされていく。そして、頭が混乱してしまいスケジュールを超えてしまい炎上として扱われプライドも傷ついた中で夜遅くまで残業しながらフラフラと疲憊(ひはい)期を過ごす。
この疲憊(ひはい)期はこれからの時代とても気を付けるものだと思っている。一回こうなるとなかなか抜け出せなくなってしまい、プライドも自信も失ってしまうため立ち戻るまでに時間がかかってしまう。限界までのトレーニングは良い体を作るが、限界を超えてしまうとケガとなり治すのに時間がかかるのと同じだ。現代人は疲憊(ひはい)期についてもっと知る必要がある。
ストレスのほかにエナジードリンクやコーヒーも疲労感を抑えてしまう。とくにエナジードリンクはやばい。カフェイン自体はコーヒーの半分以下しか入っていないのだが、抗酸化成分がやばいのだ。この抗酸化成分が疲労感の元を抑制してしまうため疲労に気が付かなくなる。そのことからSNSでは「元気の前借り」「命の前借り」などと呼ばれている。一般に疲労に効くと謳われている商品にはこの抗酸化成分があるだけで本当に「疲労」に効くわけではない。
ではどうすれば疲労を回復することができるのか?
残念ながら疲労の元をなくすような都合の良い薬や商品は見つかっていない。現在点での最善の方法は適度に疲れることだという。先ほど疲労とは参加することだと言ったがっこの酸化したものを戻すことで疲労回復となるらしい。リン酸化elF2a脱リン酸化酵素というやたら長い名前の酵素がその役割をしてくれとのこと。この酵素を増やすにはなんと適度な疲労が必要とのことだ。軽い疲労に誘発されこの酵素が産出されるため、疲れていたとしても軽い運動ぐらいはした方が疲労回復につながる。しかしこのときにビタミンB1が不足していると回復力が落ちてしまう。ビタミンB1が多く含まれている食品を取ることが必須となる。ちなみに一番含まれているのは豚ひれ肉とのこと。昔は玄米などから常に摂取できていたのだが最近は白米が多いため日本人はビタミンB1不足であるとのこと。欧米は肉食文化だし、ここらへんが日本人が生産性が悪く、過労死が多い原因にもつながっていそう。また飲酒によりビタミンB1は大量に消費されてしまう。疲れを忘れるために飲んだ酒でさらに疲れてしまうということだ。つまり、よくある流れ、頑張って頑張って残業や休日出勤、エナジードリンクを飲みながらハードワークを続け、たまにはみんなで飲み会に行きましょう!で二次会三次会となり深夜に家に帰ってそのまま寝てしまうの流れは一番最悪ということだ。そんなことより早く退勤し駅前で豚ひれ肉のお惣菜を買って質の良い睡眠をとった方がみんなのためになるということだ。
ここまで色々書いてきたが、頭脳労働における一番怖いのはうつ病であるがその直接の原因で最大のものは過労である。
疲れている時にカフェインやエナジードリンクやお酒の摂取をやめ、軽い運動をしてビタミンB1を取ろう。
そもそもだが疲れすぎないようなセルフマネジメントが一番大切かもしれない。
(サムネは途中で見つけた根っこ)