疲労とは何か(要約ver)

参考本「疲労とは何か」ブルーバックス

目的

新型コロナウイルスの後遺症として、うつ症状や認知機能低下に悩む患者が世界中に数億人いるといわれています。その最大の問題は「疲労」にあります。このため、疲労の研究が全世界で注目されています。

日本は昔から過労死などの問題で疲労の研究が進められてきたため、この分野で有利な立場にあると考えられます。そこで、今回の発表を通じて、日本がこの分野でリードする可能性を探ります。テクノロジーの進展と共に頭脳労働の疲労が深刻化していくことを見据え、今回の発表が役立つと考えています。

背景:欧米と日本の疲労に対する考え方の違い

欧米では、「疲れているのに頑張って働く」ことは非効率であり、愚かな行為と見なされます。無理をして働く人は「自己管理ができていない無能」と解釈されることが多いです。対して日本では、無理をして頑張ることが美徳とされ、頑張っている人と解釈されがちです。この文化の違いが、日本の生産性の低さや自殺率の高さに影響していると考えられます。

定義:疲労と疲労感の違い

疲労感:休養を求める信号であり、危険を知らせるものです。RPGゲームでいう「HPがピコピコと警告音を出している状態」に似ています。この疲労感を感じることで、私たちは無意識に活動を減らす傾向があります。生物の祖先である酵母の時代からある感覚で、生き延びるための知恵です。

疲労:物理的、精神的な疲れそのものです。RPGでいう「HPのゲージそのもの」に相当します。

原因:疲労が深刻化する原因

  1. ストレス
    ストレスはアドレナリンやノルアドレナリンを放出し、興奮を促すため疲労感を抑制してしまいます。このため、ストレスが長引くと疲労が蓄積されやすくなります。 ストレスは、以下の3つの段階に分けられます:
  • 警告反応期:ストレスの初期段階(ボクシングのコングが鳴った状態)
  • 抵抗期:ストレスと戦っている段階(殴り合っている状態)
  • 疲憊期:疲労困憊でストレスに打ちのめされている段階(ずっと殴られている状態) ストレスを早期に解消することが重要です。
  1. ドリンク剤やコーヒーの影響
    エナジードリンクやコーヒーにはカフェインや抗酸化成分が含まれています。これらの成分が疲労感を一時的に抑制するため、実際の疲労に気づきにくくなります。SNSではこれを「元気の前借り」や「命の前借り」と呼ぶことがあります。

改善策:疲労を回復するためには

仕事やストレスそのものを減らすことが最善の策ですが、現時点で疲労を完全に取り除く薬は見つかっていません。現実的な対策としては、軽い運動を取り入れることが有効です。運動によって疲労回復酵素(リン酸化elF2a脱リン酸化酵素)が増えるため、疲労の回復が促進されます。また、ビタミンB1が不足していると疲労回復力が落ちるため、ビタミンB1の摂取も重要です。豚ヒレ肉には多くのビタミンB1が含まれています。

まとめ:疲労へのアプローチ

うつ病の主な原因である過労を防ぐためには、疲れているときにカフェインやエナジードリンクを避け、軽い運動とビタミンB1の摂取を心がけることが大切です。セルフマネジメントを徹底し、疲労を予防することが重要です。
(サムネは途中で見つけた根っこ)