北海道旅行について 帯広編9

旅行

カヤックで目的の岸まで漕いでいき、山の中をガイドさんの話を聞きつつ自然を感じながら歩いていった。たくさんの話を聞くことができたし、たくさんの気づきや発見があってとても面白かった。この然別湖の自然は原生林となっていて、自然のまま現代まで生き続けている森になる。今どきこれだけ残っている森なんて珍しいと思う。自然そのままに生き物や植物が成長し生きている状態を見れるのがすごい。一番尊さを感じたのは倒木が朽ちて苔が生えて、その中に虫が住み着き、食い荒らされているが、その倒木の上から新しい植物が生えている状態を見た時だった。輪廻転生、食物連鎖、生の循環、自然の中での役割などとても神聖なものを感じた。本来の自然はこういう風に回っているのだと感じた。その姿の倒木がとてつもなくかっこよく感じたし悠久の時を感じた。とにかくもののけ姫の情景みたいな、大自然の素晴らしさみたいなものを感じて、人間とは、社会とは、ホモサピエンスとはなどとても広い目線で世界を考えてしまった。これだけうまくできている自然に手を加えてしまい、壊してしまったため悪循環が止まらない人間社会の哀れさも感じた。とにかく色々と感情?気づきみたいな、言語化が難しいものが多かった。自分が根っこや枯れ木が好きというのもあるが、普段の森にはないような、人間が何百年も手を加えないとこうなるという状態を現代で見れたことにとても大きな意味を感じた。また、倒木から生えている新しい世代の生え方がなんとも自然そのもののように、それぞれが自分のことしか考えてなくて、我先に高く、太く成長しようとしているのを感じた。倒木の上に映えることができただけでもある程度勝ち組だと思うが、その上でもまた競争が働いている。このように倒木の上に新しく植物が生え、やがて元の倒木の栄養を吸い終えて一つの植物が太く樹木となっていった後に、その倒木分だけ根っこが地面に出ている状態を「根上がり」というらしい。他の木を見ていくといくつか同じように根上がりしているものがあった。ざっと見でよく見つけられたから、自然界ではよくあることなんだと思った。これが普通で、あまり見ないことこそ不自然なんだと思った。よくよく考えれば、倒木ほど良い環境はない。少し上に生えることができて光合成しやすくなるし、倒木した分のエリアは光がさすようになるから、より光合成がしやすくなる。栄養としても申し分ないし、倒木は大体スポンジみたいになっているから保水性も良い。根っこを生やすにも地面に伸ばしていくよりも柔らかそう。などメリットはたくさんありそうだ。人間がいる森だと倒木は大抵いくつかに分断されて整理して転がらないように一点に固められる。その状態で何十年とたてばいいが、大体整理されるだろう。そもそも倒木したところから移動して整理されるため倒木で空いた分のエリアではないところに移動されることが多いだろう。そのため光合成もしにくいだろう。そのために、然別湖みたいな植物の生え方はあまりなさそうだ。こんなことばかりがずっと続くネイチャーガイドだった。次回もまだまだ自然について書いていく。
(サムネは倒木。この隙間の感じとかがたまらん)