北海道旅行について 帯広編6

旅行

気球に乗っている時は恐怖と感動と写真撮影の行ったり来たりで忙しかった。ある時には自分が浮いていることに対して恐怖がこみあげてきたり景色が一望出来て鳥になった気分になって気持ちよくなったかと思えば、思い出に残さねばと落ちそうなスマホを片手に撮影を始める、かと思えば思ったよりもバスケットが浅くて今にも機体から落ちてしまいそうと気持ち悪くなったりと結構切り替えが大変だった。ちょうど日の出があってどんどん太陽が昇っていくところだしまっ平でとても北海道の平地だしで景色はかなりきれいだった。地平線がどんどん広がっていっていた。気球は街の上もガンガンに飛んでいるため真下には住宅が広がっていた。だんだん街の人たちが起きてきて、鳥も飛び始めたり車も走り始めたりと、早起きしたときのあの優越感というかみんなが動き始めたところを全部見ていける楽しさみたいなものも気球の上で味わっていた。たまにこの場でスマホを落としたとすると住民の頭上から平たい金属を落としていることだから大惨事になるなぁとかを考えていた。だから来るときの車内の機材がうんぬんかんぬんという注意もよくよくわかったしめちゃくちゃ危ないなぁとも思った。あとバスケットが意外と浅かったのが本当に怖かった。腰よりも浅いため撮影するために外に乗り込みすぎると普通に落ちるし落ちたら死ぬレベルの高さだしなんでこんな浅いもので運用しているのだろうとかもし子供とかが乗っていたらめちゃくちゃ危ないなとか調子物が乗り出したりしたら絶対に死亡事故が起こるなとか本当に色々なことを考えた。全部で1時間くらいのコースだったため最初の感動について乗っている人たちで話し合うフェーズも過ぎて各々が好きに話しながら撮影をしたり景色を楽しんでいるのだが、乗っている間操縦士の人はずーーーーっと話していた。50代くらいのまぁまぁなおじさんなのだがおしゃべり?話が止まらなくてその相槌を入れながら撮影などをしている状態だった。話が止まらなくてたまに本当に面白い話もあったから変にあしらうこともできずに1時間話を聞く感じになっていた。その中でも気球の免許の取り方とか免許をとろうとしている学生?学んでいる人たちの話は面白かった。そんなこんなんで気球を楽しんだ後、後半は操縦士の人も着地についての話が多くなっていた。この気球は着地がやっぱり難しいとのことだった。操縦と言ってもバーナーのオンとオフだけで、上下しかできない。手を加えられるとしたらタイミングとバーナーの長さだけ。あとは風を読んでどう操縦していくかだけである。風を読むというのはその印象通りにかなり難しそうだと思った。早朝は風が少ないからというので超早起きというのがあるらしい。日中とかはもう風が強すぎてとても上げられないとのこと。そんな超朝早起きでも操縦士の方は苦戦していた。途中電線があって引っかかるのを危惧したりうまいところ目標の着地点につけそうになかったりなど試行錯誤や思考をめぐらせていたり、他の気球はどうしているのかを観察しながらバーナーの量とタイミングを計っていた。一回地上付近に行くことで風から降りたりして着地を探っていったところなにか踏ん切り?なにか決めたらしく着地へと向かっていた。電線をぎりぎり超えた後着地に向かってどんどん高度を下げていった。うまいこと着地するのは難しく、坂に向かって着地するためバスケットの下にかがんでしっかりと手すりをつかんでくださいと言われ、一同に緊張が走る、途中ですべての操縦、自分たちの命はこの操縦主にかかっていると思い返したが信用することとした。うまいこと坂に着地というか落ちた感じだった。小さい枝や大き目の草にぶっ刺さる形で着地した。その後ちょっと浮いた後に自分たちが地上に降りて平らな場所まで引っ張っていくことになった。その感じは自分も参加している感じがしたし楽しかった。ぎりぎり浮いている状態で引っ張っていっていった後にポイントっぽいところまで行ったときにふわっと機体が浮いてしまって、みんながやばいッとなった瞬間、知らない男性がバスケットを抑えてきた。救助隊のようだった。遭難して色々試行錯誤し苦労しながらなんとか下山した後に救助隊の姿が見えて安堵するみたいな感覚に近かった。映画でいえば「ミスト」で最後軍隊が表れて命が助かったシーンみたいな、安堵する感じ。別に遭難したわけでもないし得体のしれないモンスターに襲われていて逃げていたわけでもないが、上空20メートル以上の地点で少なからず恐怖しながら過ごしていて、最後の着地でうまくいくかわからない、坂にぶつかるように着地して草をかき分けながら機体を運んでいった後だったから、なぜか助かったーーーと視界が広がった。周りを見ると他にも車で駆けつけてきてくれた人々が見えてこっちに向かってくる景色はいまでも面白かったなーと思う。
(サムネは出発するときのやつ)